うだるような暑さと、肌にまとわりつく湿気。 海と山に囲まれた神戸の夏は、日差しが強く、毎年「どうやってこの暑さを乗り切ろうか…」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
「エアコンをつけっぱなしで電気代が心配…」 「家にいても熱がこもって、なんだかスッキリしない」
もし、そんな夏の悩みを、**“家そのものの設計”**で解決できるとしたら、いかがでしょうか。 今回は、私たち株式会社アドホームが、機械の力だけに頼らず、自然の力を賢く利用して夏を快適に過ごすための「家づくりの工夫」をご紹介します。
Part 1: なぜ家は暑くなる?まずは“熱の侵入ルート”を知ろう
夏の室内が暑くなる最大の原因は、窓や屋根、壁から太陽の熱が直接入り込んでくる**「日射熱(にっしゃねつ)」**です。
驚くことに、夏場に家の中に入ってくる熱のうち、約7割が「窓」からと言われています。 つまり、この熱の最大の入り口である「窓」と、直接日光に晒される「屋根・壁」をどう設計するかが、涼しい家づくリの最初の、そして最も重要な一歩となるのです。
Part 2: 夏の日差しを“入れない”工夫【パッシブデザインの基本】
快適な家づくりの世界では、機械に頼らず、太陽の光や熱、風といった自然の力を活用する設計思想を**「パッシブデザイン」**と呼びます。その基本は、まず不要な熱を室内に入れないことです。
1. 魔法の帽子「軒(のき)・庇(ひさし)」を深くする
昔ながらの日本家屋に深い軒があるのには、ちゃんと理由があります。太陽が高い位置にある夏は、深い軒が強い日差しを遮ってくれます。逆に、太陽が低い冬は、暖かい日差しを室内に取り込んでくれるのです。この「軒の出」を適切に設計するだけで、夏の体感温度は大きく変わります。
2. 窓の外で日差しをカットする
日差しを遮るには、カーテンのように室内側で対策するより、窓の外側でカットする方が何倍も効果的です。「すだれ」や、おしゃれな「外付けブラインド」「オーニング(可動式テント)」などを設置できる計画を、設計段階から考えておくのがおすすめです。
3. 屋根と壁で熱を“跳ね返す”
屋根や外壁は、断熱材で熱の伝わりを遅らせる「断熱」性能はもちろん、日射を反射する「遮熱」性能も重要です。遮熱効果の高い屋根材を選んだり、外壁を白などの明るい色にしたりするだけでも、家が蓄える熱の量を減らすことができます。
Part 3: 自然の風を“家の中に取り込む”工夫
神戸の夏は、日中に海から陸へ、夜間は六甲山から海へと、特徴的な風が吹きます。この自然の風を家の設計に取り込まない手はありません。
1. 「風の通り道」を設計する
ただ窓をたくさん作れば良いわけではありません。風の「入口」と「出口」を一対で考え、家全体を気持ちの良い風が通り抜けるように窓を配置することが重要です。一般的に、風は入ってくる窓より、出ていく窓の方が大きい方がよく抜けると言われています。
2. 高低差で空気を動かす
暖かい空気は上に昇る性質があります。リビングの吹き抜けや階段の高い位置に窓(高窓)を設けることで、室内にこもった熱気を効率的に外へ排出できます。低い位置にある窓から涼しい風を取り込み、高い位置の窓から熱を逃がす。この空気の流れを設計するだけで、エアコンに頼る時間がぐっと減らせます。
まとめ:夏の快適さは、設計のトータルバランスで決まる
ここまで見てきたように、夏を涼しく暮らす家は、一つの特別な建材や設備だけで実現するものではありません。
・太陽の動きを読み、日差しを遮る設計
・地域の風の流れを読み、家の中に取り込む設計
・そして、それらを支える高い断熱・気密性能
これら全てが揃って初めて、真に快適で省エネな暮らしが実現します。
私たち株式会社アドホームは、神戸の気候風土を深く理解し、一棟一棟、その土地の持つポテンシャルを最大限に引き出す設計を大切にしています。
「エアコンが苦手」「自然の風を感じながら暮らしたい」
そんな想いを、ぜひ私たちにお聞かせください。一緒に、神戸の夏が楽しみになるような家づくりを考えましょう。